ミヤツグで取り扱っている商品は全て天然皮革です。
傷やシワは正に生きてきた証であり、天然の素材であるからこそ1枚1枚特徴が異なり、仕上がりも均一にはならないのです。
以下に天然皮革によく見られる特徴を上げています。顕著なものは検品時に除いていますが、これらを理由とした返品・交換はお受けしておりませんので、何卒ご理解のうえ天然皮革という素材をお楽しみください。
鉄柵や茨のトゲなどによるかき傷(バラ傷)や、闘いの傷跡、虫刺されなどの傷跡の他、血管の跡である血筋が稲妻のように現れる事があります。
漉き加工をすると傷の部分が穴になったり、血筋が目立ったりする場合があります。
特に首回りに見受けられる深いシワは「トラ」と呼ばれ、首から肩にかけてのショルダータイプの革にはトラが顕著に現れます。
イタリアンレザーではトラがあればあるほど美しいと表現されるほど、天然皮革のワイルドさを醸し出す特徴的な部分とも言えます。
家畜の所有者を示すために付けられた焼印(ブランド)の跡。牛革の他、馬革にも見受けられます。
革は個体による違いの他、部位によって繊維密度や締まり具合が異なるため、同じような加工を施しても均一な仕上がりにはなりません。
シボと呼ばれる立体的なシワは革の収縮によるもので、例えばお腹の方は繊維密度が緩いためにシボが大きく出方にもムラがありますし、 空打ち(水を入れないドラムに革を入れて回転させ、柔軟性とシボ出し効果を与える方法)では不規則にシボが現れます。
また同じ理由から染料の入り具合にも1枚の中で差が出ますし、仕込みの時期や気温などによっても染料やその他の薬剤の入り方に変化が生じるため、ロットによる色ブレが生まれます。
コブのある部分を剥ぎ取った際の穴、製革の妨げになるような大きな傷やシワをトリミングしたものなど、生産の段階で革を切り取る事があります。
例えば、多くの個体で背側が真っ直ぐにカットされている商品でも、1枚目の写真のようにカットされている個体もあります。
2枚目のように端ではなく真ん中の方に大きな穴がある個体もあります。
革に含まれているワックスや油分が、白い粉のように表面に現れる事があります。
製品として使っているうちに内部に浸透していくので問題はありませんが、気になる場合はドライヤーなどで少し温めてから拭き取るときれいに落ちます。
革の製造工程中や仕上げ、またはお客様のご要望により、漉き加工により革の厚みを調整しますが、床面に漉き機の刃が当たり跡となったり、漉きムラが出る場合があります。
写真1枚目は仕上げ時における漉き跡で、タンナーから出荷される時点で付いている跡のため、これを修正する事はできません。
2枚目は元の厚みとの差が少ないため床面がキレイに仕上がらなかった例です。平均的な革の厚みから漉き加工の上限を設定していますが、個体や部位による差があるためムラとなる場合があります。
製造工程において、床面に色ムラができる場合や選別などの為にスタンプ・書き込みがなされる場合があります。
また漉き加工時には商品が混同しないよう、3枚目の写真のように銀面または床面の端にサイズや厚みが記入される場合があります。
オイルをたっぷりと含んだ革では、曲げたりすることで内部の油分が移動し、曲げた部分の色が薄くなって見えます。
このような革をプルアップ仕上げと呼び、特に仕上げについて記載のない場合でもオイル量の多い革ではこのような現象が発生します。