イタリア植物タンニンなめし革協会は、イタリア・トスカーナ地方にて1994年に設立された
現在20社近くのタンナーが加盟する非営利団体です。
加盟しているタンナーは、良質なベジタブルタンニンなめし革を時間を惜しまず伝統的製法で製造し、
高品質なイタリアンレザーを世界に向けて提供し続けています。
植物タンニンなめしの技術はとても古く、新石器時代から世界中で行われていたと言われています。
トスカーナ地方では、エトルリア時代(紀元前8世紀~4世紀にかけて現在のトスカーナ州の海岸部に栄えた文明)から植物タンニンなめしが行われていたという証拠が見つかっています。その時代から、トスカーナ地方ではずっと植物タンニンなめしが行われてきました。
中世フィレンツェでは皮なめしの産業が大いに発展し、1282年には「製革工・なめし加工業者小組合」という皮なめし職人たちの組合が作られました。
当時のフィレンツェでは、皮なめしは町の特定の地域で行われており、現在でもその名残が残っています。
後になめし産業はフィレンツェ周辺地域へと拡大し、19世紀の終わりにはサンタ・クローチェ・アッラルノ町とポンテ・ア・エゴラ町が重要な生産地となりました。これらの地域はアルノ川沿いに位置しており、水は植物タンニンなめし革製造に不可欠で、この地域の水質が皮革の品質に影響を与えているとされています。
現在でも、この伝統的な製法を守りながら、職人たちが植物タンニンなめし革を製造しています。
イタリア植物タンニンなめし革協会は、Pelle Conciata al Vegetale in Toscana(トスカーナの植物タンニンなめし革)という商標を通じて、トスカーナで生産される植物タンニンなめし革の品質を規制、保護、かつ保証しています。
この品質マークを使用するには、協会が定めた技術生産規則に従う必要があり、これら規則の遵守は全てのタンナーに対して義務付けられています。
同規定には「植物タンニンなめし革」という用語の正確な定義が記載されており、認定されるための生産工程は、全てトスカーナ州内で実施されなければならないと規定されています。
また、「Pelle Conciata al Vegetale in Toscana」の商標を使用して生産される皮革は、定められた厳格な物理的及び化学的基準に準じた生産技術仕様に従って製造される必要があります。
この品質保証タグは、イタリア植物タンニンなめし協会に加盟するタンナーが生産した植物タンニンなめし革の原産地、職人の技術、そしてその自然由来の特性を証明するものです。
各タグは偽造防止技術を用いて印刷され、いつでも、世界のどこでも、協会が皮革の供給元となるタンナーを識別できるシリアルナンバーが記載されています。
タグの裏面にはQRコードがあり、スキャンすることで協会の活動や伝統に関する情報をより深く理解したり、ソーシャルメディアチャンネルにアクセスすることができます。
現在、トスカーナ地区で操業している19のタンナーが、この植物タンニンなめし革協会に加盟しています。
株式会社ミヤツグでは下記タンナーの商品を取り扱っています。
ディレクターのバーバラ・マヌッチさんへインタビューをさせていただきました。
実際に協会へ訪れての取材・インタビューは日本初だそうです。